2017年07月16日

【小さなお噺】器の件

 妻と間男を殺めた純朴な牛飼いが、陽の当たらない牢で死刑を待っていた。
そこに王の元で働く工の匠がやってきて彼をじっくり眺め、やがて看守に声をかけ牛飼いを牢から出した。
彼は牛飼いを自分の工房に連れて行き小さな部屋をあてがった。
 匠は何を作るのかは語らなかったが、彼に牛に関しての凡ゆる事柄を何日もかけて尋ね続け書き留めた。言葉少ない牛飼いは好きな牛の話を言葉を選びながら丁寧に教えた。続きを読む
posted by tom at 22:22| Comment(1) | TrackBack(0) | 短文 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする