古風なアパートに引っ越してきた若い夫婦。
奇怪な夢とも現実ともつかない夜を過ごした妻のローズマリーは
妊娠をする。
今回は古典なので、完全ネタバレです。
読むのを楽しみにしている人は、スルーしてね。
結局、出世したい夫を含むローズマリーの周りの全員がグルになって、彼女に「サタンの子供」を産ませちゃった、というのがオチなんです。
彼女の逃げ場の無くなっていくさまが克明に描かれています。
個人的には「悪魔」が出てくる話は、あんまり好かんというか
トランプのジョーカーのような感じで
「悪魔の仕業だったのだぁああ」で終わる話は、宗教的な興味が無いから
その怖さが理解できないんです。
ところが、感心したのは最後の数ページ。
怪物を産まされてしまった彼女が追いつめられて発狂して終わるのかと思えば
逃げ場の無い立場から、その「王」の母として一瞬で権力の頂点にでんぐりかえす。
これは見事でした。
とはいえ、ショッキングなものを題材にした物語は、時を経ると
どうしても古びてしまいます。
これを元にした物語が後年沢山出ましたし、僕らはその作品の方を先に読んでいるので、どうにも古くさいと思ってしまうのも仕方ないですよ。
アイラ・レヴィンといえば、「死の接吻」「ブラジルからきた少年」を書いた天才です。
今回の作品を読んで思いましたが、上の2作も「ステップフォードの妻たち」も「硝子の塔」もすべて
「ねちっこくいやらしい視線」を感じる作風ばかりですね。
さて、この本ですが、有名な映画もあえて見ずに
古本屋で見つけるまでず〜っとガマンしていました。
(先に続編の「息子」の方が手に入っちゃったりして)
映画も見なかったワケは、ポランスキーという監督の作品の面白さが未だにわからないからです。
同じ毛色の監督にダリオ・アルジェントという人がいます。
どちらも直球すぎて遊びが無いのが、すこしつまんないんですよ。
で、ようやく古本屋で発見したものは、昭和42年に早川書房から出版されたもので(僕が産まれる1年前さ)
400円でした。
しかも、冒頭に「途中まで読んで面白くなかったら当社まで持って来て下さい。返金いたします。」などと書いて
途中からラストまでが青い紙で袋とじにしてあったようです。
(袋とじの紙には「さぁ、ここまで読んでローズマリーの運命なんかどうでもいいと思うなら、ここを開けずに当社まで持って来て下さい」としつこい文章w)
ハヤカワ、あざとい商法じゃのぅ、ほほほ。


