2011年03月03日

恐るべき双子「悪童日記」アゴタ・クリストフ

戦時下、双子が粗野な祖母に預けられる。
彼らは生きる為の術を身につけて行く。


彼らが書いた短文の日記を読むという形式の物語。
物事の感想は書かない、曖昧な事は書かない、実際あった事だけを書くというルールを課している。
読者は彼らが見たものしたことの中に、顔をしかめながらも黒いユーモアを見つけるだろう。

双子はケナゲというより、猫のようにずる賢く育って行く。
読んでいて良い気持ちになる事は一度も無いのだが
彼らの行動を、悪事とくくるには難しい。
周りの人も悪事といえばそうかもしれない、モラルに反するようなことを事をしている。
変態将校も、金で貧しい女を買う司祭も、この物語の中では許容範囲の中だ。
そして、彼らの町の外、もっと大きなスケールで何かが動いており
個人は何の抵抗も出来ないのだ。
人々は、お互いを叩き合って鍛えていくように、デリケートな部分も叩いて不感症にならなければ生きて行けない時代を描いている。

ざらざらした感じがずっとつづくが、面白い。

ラストは少し「あれ?」と思った。
2人の行動が意外である。

これは、続編も読んでみたいと思った一冊。
posted by tom at 18:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 濁書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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