2015年03月29日

チャーリング・クロス街84番地 (1986米英)

〜〜NYで本を探している女性が、ロンドンの古書店に手紙で注文。
そこから始まる古書店員達と女性、手紙だけの20年にわたる交流〜〜


古本好きにはタマラナイ実話が元になっています。
原作は女性ハンフと古書店員PFDとの往復書簡集。距離の遠さ、手紙という形式の面白さが伝わってきます。
ハンフの方がフランクと言うかガサツな感じの女性でして、そこが好き嫌いの別れるところでしょうかね。
彼女の手紙が、送ってきた古書に対して結構辛辣な部分もあります。マニアがろくでもないものを捕まされた気分がわかって面白いのですが、文章に書かれたものを映像で表現しようとするとどうしてもちょっとエキセントリックになります。選んで送ってきた本を壁に投げつける場面はどうかと思いますね。
まぁそういうふうにしてアメリカの部分との対比で、ロンドン店員の真面目さ厳格さを引き立ててるのかな。

二十年の歳月をアメリカとイギリスに起こった出来事を交えて行くのですが、イギリスの方が食材の販売さえも配給制になっていたりと大変な頃です。それを知ったハンフがデンマークの通販を使って缶詰の詰め合わせを送った事からお裾分けに預かった他の書店員がこれまたお礼と近況などを手紙に書いて彼女に返した事で広がる交流。相手を思い描いてしたためる手紙の面白さを存分に味わえます。短いながらも丁寧に彼等の生活風景を交えるコトでこの映画は愛おしいものとなりました。

個人的には英国に渡ったハンフの友人が英国に行き、お忍びで店内を探る場面が大好きです。あまり広くはない店内に所狭しと置かれた古書棚をくぐりぬけ、お目当てのPFDを探す様子をカメラが追いかけます。

与えられたリクエストに対して、真面目に取り組んで探してくる。勧めた本を相手が気に入らなければさらに別の本を探す努力をする。この役を表情は乏しくともいつも目が雄弁に語りかけているアンソニー・ホプキンス、いつも煙草スパスパのシングルウーマンハンフにアン・バンクロフト、手紙だけのアメリカ女性にちょっと嫉妬するPDFの妻をジュディ・デンチ、彼女の友達にマーセデス・ルールの顔も見えます。

ところどころ字幕がわかりにくい部分も有りましたが、流暢な文体の手紙を文字制限の中で表現するのは大変難しい作業だったのではないでしょうか。

前職ではモノだけを相手にする職人だった自分も、この歳で営業1年生も兼ねる新しい仕事でして、受け持ってるのがなかなかにニッチな商品なのですが、時間が許す限りこういう丁寧な仕事したいよね。
昨年末も「個展で作品に使いたいのですが」って問い合わせメールが来て、個人的に耐久テストしたりなんかして返事かえしてたら、今年になってイイボリュームの発注がかかったのは嬉しかったです。

 話は逸れますが、映画と仕事と云えば、今公開されている漫画発SF学園アクション映画、役者達が持ってる生徒手帳の表紙の金文字。あれ、僕が作りました。曲がりなりにもスクリーンデビューです。
posted by tom at 09:44| Comment(0) | TrackBack(0) | Film | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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