2009年11月18日

『時の娘 ロマンティック時間SF傑作選』編:中村融

時を恋を扱ったSFばかりを集めたアンソロジー

中3の時、ジャック・フィニイの短編集『ゲイルズバーグの春を愛す』にある「愛の手紙」に感動して以来、彼の本を集めてきました。集めたといっても翻訳されたものは数冊なんですけど。(「夜の冒険者」だけはいまだに手に入ってないんだよね...。)
しかし、この歳になってジャック・フィニイの未訳短編が読めるとは、感激です。

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2009年11月04日

小説/大江戸ピカレスク「帰り舟 深川川獺界隈」山田正紀

どんどんの伊佐が帰って来た故郷・深川川獺(ふかがわかわうそ)では権力と土地の争いが吹き荒れていた。

人形が織りなすファンタジミステリ「オフェーリアの物語」
押井守に作家の道を断念させた未完作を完結「神獣聖戦 Perfect Edition(上下)」
徹頭徹尾山田風太郎リスペクト「神君幻法帖」(2009年2月刊行)
ワイドスクリーンバロック「イリュミナシオン 君よ、非情の河を下れ」(2009年9月刊行)
に続く、書き下ろし時代小説(2009年10月刊行w)です。

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2009年10月23日

マンガ/19世紀中央アジアの嫁「乙嫁語り」森薫

12歳のカルルクのところに嫁いで来た遊牧民の女アミルは20歳。

あの「エマ」で産業革命時代のヨーロッパを華麗に描き出した天才森薫による、待望の(個人的にも)新刊。

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2009年10月13日

小説/尋問のプロ「スリーピング・ドール」ジェフリー・ディーヴァー

キャサリンが尋問を担当したカルト集団のリーダー、ダニエル・ペルが脱獄。新しいパートナーを得て殺人を繰り返しながら逃走を続ける。


「ボーンコレクター」リンカーン・ライムシリーズからのスピンオフ作品です。というか、このシリーズ自体読むの初めてなんでした。
太くて重いねぇ。
毎日通勤に持ち歩くのに苦労して肩こっちゃいました。
さすがに台風2日間のときだけは「ナボコフの1ダース」(サンリオ文庫の短編集)に替えましたけど。

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2009年09月16日

小説/落語風味「憑神」浅田次郎

婿養子先に離縁された出戻り武士が、酔っぱらって手を合わせたのが三巡稲荷。しかし、運がよくなるどころか、やって来たのは貧乏神、疫病神、そして....

落語風味の会話の粋な時代小説です。
ネタバレぎみの感想になりますが、「おもろうて、やがてかなしきなんとやら」の流れの物語です。
主人公のもとに順にやってくる神達の酷さが増すにつれて、神達のキャラが可愛くなり、しかも主人公が願うこともなかった出世もしちゃうんですけど、すればするほど空虚な立場になっちゃうという、反比例のオンパレードが素晴らしかったですね。
ただ、主人公の性格がはじめの頃はいまいち掴みにくかったのが残念。
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2009年09月10日

小説/忍者!「かげろう忍法帖」山田風太郎

山田風太郎による「忍法もの」ばかりをあつめた短編集。

....豪雨の日、図書館で借りた『甲賀忍法帖』をホームから線路のところに落として、弁償した時以来、風太郎作品を読む事を封印していたのですが、今回ちゃんと読んでみました。

おもろいな。

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小説/伝奇活劇「乙女虫 奥羽草紙 ―雪の章―」澤見 彰

鷹と子犬を連れた浪人が助けた小柄な武士は、女だった。
浪人は心ならずも彼女の仇討ちの旅に同行させられることになる。


主人公が時代劇ではおなじみの飄々とした性格で
ヒロインもツンデレさんですが、読みやすくて面白いのです。
読みやすくてマンガっぽいかな。子犬などのキャラでそう思うのかな。
が、表題の「乙女虫」などがかえって邪魔になってしまっています。
別にそういう奇怪なものを出さなくても充分に面白いのに。
物語は一冊一話完結で続いてるようですが
このヒロインさんはこの話だけで終わりのようですね。
機会があれば、続きを読んでみたいと思います。
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2009年08月29日

小説/ミステリ/精神病棟「迷宮Labyrinth」倉阪 鬼一郎

寂れた街の病院での殺人事件。被害者は院長の娘。
彼女は院内の精神病棟に隔離されながら小説を執筆していた。



で、この手がかりとなる「小説」の全文が出てくるんですが....
これが、ボンヤリダラダラとして面白くない。
故に、あそこのあのページといわれても「はぁ?」てなもんです。
小説の仕掛けは労作であるものの、小説の内容自体はあまり工夫されていないのがダメですね。
でもって、モヤモヤしたままどんどん人が殺されて、意味の無いクライマックスになだれ込むんです。
完全に置いていかれた気分でした。

(猫耳少女が出て来た時点で、読むのをやめれば良かったよ)
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小説/ノスタルジックファンタジー「いっぺんさん」朱川 湊人

田舎を舞台としたちょとふしぎな短編集。

レビューを読むと感動したや泣いたと書かれてましたが、残念、いまひとつそこまでに到達しませんでした。少しくどい感じがしたのと、人物達の行動がパターンなのがそう思わせたのかもしれません。

ただし、ファンタジックな表紙とオビに誘われて読んでると
2話目の「コドモノクニ」でいきなり直球のホラーを投げ込まれ
ラストの1行で
「こわっ!」
つうて本を投げだしそうになりました。(イヤ、ホラー作家ってのをしらなかったもんで)
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2009年08月20日

ミステリ/街「きのうの世界」恩田陸

ある田舎の街で男が死んだ。
その男は1年前に失踪した一見顔も記憶に残らない平凡なサラリーマン。
男はその街を歩いて、いろんな事を人々に尋ねていたという。
何を探していたのか?

その街には、土地を見下ろすように高い木製の塔が3本建っていた。
塔は、なぜか最新のカーナビにも記載されていなかった。



沢山の登場人物と沢山の小さな章から出来ている物語です。
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2009年08月18日

ホラー/携帯ゾンビ「セル-上下」スティーヴン・キング

クレイがコミックノヴェル作家としてのデビューが決まった日、
謎の『パルス』が人々の携帯電話に流れる。
そのパルスを聞いた人々は、あたり構わず暴力をふるう携帯狂人となっていった。


死人ではありませんが、これは「ゾンビ小説」です。
実際チャリティオークションでこの「キングのゾンビ小説に名前を出す権利」ってのが出たりしたようですし、
物語の最初に「ゾンビ」を監督したロメロと「地球最後の男」を書いたマシスン(!)に感謝を述べています。

とはいえ、これはなんともおバカな設定ですね。
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2009年08月04日

小説/ファンタジー「チャリオンの影-上下」「影の棲む城-上下」ロイス・マクスター・ビジョルド

上官の裏切りに合いガレー船での過酷な奴隷生活を経て
廃人同然となった男が過去に関係した国にたどりつき
ひょんなことから国姫の教育係となる。


佐藤さえさん(佐藤さえの本棚)から送られた本を読ましていただきました。
同じ作者の有名なSFはったりオペラ「ヴォルシリーズ」の新刊が一向に出版されないので(翻訳はもうとっくに終わってるらしい)
とっておきのこの本をようやく出して来て読む事にしました。
でもって、感想がめちゃくちゃ遅れた事をこの場をおかりして
さえさんにお詫び申し上げます。(....この場でかよ...)

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2009年07月16日

きたきたキター!/radio drama/ the Black Widowers

僕が大好きだったラジオドラマが
ニコ動に上がってました!
いちばん好きだったエピソード「会心の笑い」のテープにとっといたものをずっと持っていたんだけど、ノビちゃって
とうとう聞けなくなって、捨てた思い出があります。

謎解き自体はささやかなものばかりですが、店の雰囲気や
会の雰囲気が大好きで、夜9時のニュースのあとからはじまる20分のドラマに、じっと耳を傾けていたもんです。

ジェフリー・アヴァロン- 納谷悟朗
トーマス・トランブル- 中村正
イマニュエル・ルービン- 小林修
ジェイムズ・ドレイク- 大塚周夫
マリオ・ゴンザロ- 野沢那智
ロジャー・ホルステッド- 金内吉夫
ヘンリー- 久米明

謎解きタイムのピアノ曲-JSバッハ「主よ、人の望みの喜びよ」続きを読む
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2009年06月27日

SF小説/名著「銀河帝国の興亡 1」アイザック・アシモフ

歴史心理学の権威ハリ・セルダンが栄華を誇る銀河帝国の滅亡を予測し、その後の暗黒時代を「短くする」ため、壮大な計画を立てる。

はい、ハインライン、クラークと並ぶ3人目のSF大家アシモフ先生の代表作ですね。正直、その題名の漢字の固さに手が出ませんでした。(そんなことってあるよね)
しかし、先日近所で開かれた『環境フェア』のリサイクル図書コーナーで3部作をまとめてタダでゲーット!(その日はなぜかエスエフ本ばかり出されていてついでにジョン・ウィンダムの短編集もいただきました。フレドリック・ブラウンもあったけど白土三平選集のほうにしちゃった)
このファウンデーションシリーズは、ショウチャンが原書で読んだ初めての小説なんですよね。クリス・フォスのどでかい牛乳パックのようなデザインの宇宙船が表紙なのが印象的だったなぁ。
けど、こんな難しそうな本、よく原書で読めるなぁなんて思ってましたが、
実際読んでみると、これは「エスエフとんち昔噺集」じゃないですか。
クラークの三原則のひとつ
「十分に(高度に)発達した科学は魔術と見分けがつかない」
そんな物語でした。ただし「魔術」でなく「宗教」でしたが。
最後の豪商の話は舞台がバラバラしていて分かりにくいですが
それ以外はものすごくわかりやすい物語でした。

やっぱりタイトルで損してるよ、これ。

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2009年05月09日

小説/クトゥルフ「ラヴクラフト傑作集1」

収録作品
「インスマウスの影」
「壁のなかの鼠」
「死体安置所にて」
「闇に囁くもの」
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2009年04月16日

小説/みそじのOL「ガール」奥田英朗

会社で働く30代の女性達を主人公とした短編

奥田小説は、読みやすいんですよ。
けど時々怖い。
他の人はどうか分からないけど、僕は怖い。
モンスターや幽霊、殺人鬼が出てくる物語の方がまだ安心できる。
何が怖いのかというと、例えば「サウス・バウンド」のイジメ。
あるいは「最悪」の納期地獄。
身近過ぎてシンクロしちゃって、胃が痛くなってしまうほど。
その分、突き抜けた後の落としどころでスカッとするのが、たまらなく良かったりして。

で、今回はそれぞれが30代の悩めるOLさん達が主人公の短編集。
悩んでることが実に等身大で、男の読者でも、うんうんとうなずく感じに読み進めていける。
いずれも、目立って大きな事件などおこらない。
勿論恋愛に関しての話が多いのだが、そこは30代が主人公なので
直球は全く無し。かといって不倫や同棲などのドロドロも無し。
そう、色気無し。健全です。(ちょっとオッサン化してるかも)
そしてほとんどが主人公達が心の置き場所を見つけるところで
ストンと落として物語を清々しく締めている。
上手い。

可愛らしい小物を並べたような本だったね。
怖くなくてよかった。
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2009年04月12日

本格推理小説/UMA「ラミア虐殺」飛鳥部 勝則

田舎街の探偵は、謎の女性の護衛を頼まれ、製薬会社社長である彼女の父親の家に向かう。
それは吹雪に閉ざされた山奥の大邸宅だった。


(とってもネタバレしてます)
久々に腹が続きを読む
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2009年04月01日

小説/乙女と青年「夜は短し歩けよ乙女」森見登美彦

惚れた後輩の「乙女」との「偶然の出会い」を画策するため
夜の京都を奔走する「先輩」


とにかく天然にほうけている女の子と、その彼女にホレてしまった理論詰め兄さんの連作短編です。ただし、続きを読む
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2009年02月27日

漫画/ロックバンド「BECK」全34巻 ハロルド作石

普通の中学生ユキオが、仲間とバンドを組んで歌い始め
やがて世界に進出していくまでを描く。

作者のハロルド作石は「ゴリラーマン」がはじまったころから読んでいたが(「アキラ」を読んでいたので)、きうちかずひろの「ビーバップハイスクール」のカワを被った小林まことの「1・2の三四郎」だった。
続く長編の野球漫画は、僕が野球に興味が無いので読まなかったが
その作者が、ロックを題材にするとは以外だった。
ロックの世界を描いた作品では、森脇真末味による少女マンガ「緑茶夢」が一番『音が聞こえるマンガ』だったのだが(映画で言えば、「あの頃ペニーレインと」かな)
この作品もなかなか素晴らしい。続きを読む
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2009年02月02日

基本に戻るとつらいが基本に戻る事も大事なんだろうと最近思っています、んが

海外の人が書いた本を読んでいると、しょっちゅう宗教的なベースを持ったものに出くわします。
多くがキリスト教のものなんですが、ひどいものになると
どうして主人公が、あるいは犯人などが『こんなこと』で悩んでいるのか分からなかったりするのです。
塀に鳥居さんが描いてあるから立ち小便が出来ないのと同じなんでしょうが、ね。
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