2017年07月16日

【小さなお噺】器の件

 妻と間男を殺めた純朴な牛飼いが、陽の当たらない牢で死刑を待っていた。
そこに王の元で働く工の匠がやってきて彼をじっくり眺め、やがて看守に声をかけ牛飼いを牢から出した。
彼は牛飼いを自分の工房に連れて行き小さな部屋をあてがった。
 匠は何を作るのかは語らなかったが、彼に牛に関しての凡ゆる事柄を何日もかけて尋ね続け書き留めた。言葉少ない牛飼いは好きな牛の話を言葉を選びながら丁寧に教えた。続きを読む
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2010年09月03日

青は緑 03

「あ、どうも。ブーヤンです。」
老人は想像していた風体の間違いに驚き、笑った。
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2010年08月31日

年寄りな物語/「青は緑」 02

 青々と揺れている稲田の横に止めた車、中年の夫婦がタマゴアイスを食べている。
街にも田舎にもなりきれていない土地の、なんとものどかな風景である。



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年寄りな物語/「青は緑」 01

 老人が信号を待っている。
午前中1台も車が通らなかっただろう短い横断歩道が青になるのをひとりで待っている。
老人は気づく。信号の「青」は実は「緑」なんだ、と。

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2010年04月14日

〔途中で書くのをやめた物語〕「Watch your mouth.」〔その経緯〕

最近ブログも更新せずに何をしていたのかというと、
勿論会社で働いていたわけでして、仕事が溢れかえったままの机を放置して終電で帰宅する毎日は、気分的にもちィ〜と荒んでいたんです。
何年も駅伝の様に読書し続けていたのをひと月ほど止めています。
鞄に本が無いというのは、これほど軽いものなのか!とか思っちゃったりして。でへ。
かといって、何もしていないのかというと、例のiPodで物語を書いていたんですよ。
以下、ひとつの物語を披露します。
実は、披露するほどのものではないんです。だって、書きかけのうえに、文章の整理もしてないし、途中までしか書けてないんですから。
内容も文章もぐちゃぐちゃのまま、出してみますわ。




老人がその娼婦をひろったのは、スラムの一画だった。
赤毛のロングストレートで顔の右側を隠した女は、老人の黒いリムジンにさっと乗り込むと、まるで彼の親戚でもあるかのように大きな態度で、車を進めるように促した。
黒い車は、数ブロック走ってドラッグストアの前でゆるゆると止まり、老人だけ降り、店の中から取り置いて貰っていたらしい紙袋を抱えて戻ってきた。
袋の中には女が名前だけ聞いたことがある高価なワインが揺れている。
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2009年08月12日

懐かしのラヴァーボーイ-07

懐かしのラヴァーボーイ-07

チマチマと続いてます。
お暇ならどうぞ。
 
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2009年06月04日

あれの続き。

久々に続きを書きました。え〜っと、2年ぶり?!

懐かしのラヴァーボーイ-06
その8/『ontembaar』は『お転婆』の語源とか


ちなみに、はじめから読む人はココからね。→

この章は半分以上書いていたので、書き足し程度で出しました。
結末は、書き出した頃から決まっているので、あとはのんびり書いて行くだけなんですが、これがね、なかなか。(この時点で全体の1/3です)

文章は、自分が読んでもキツいところがありますし、お話もとくにどうってことないんですが、いろいろ思う事をあてはめたり、今まで書いたオハナシとの関連性をもたせたりして、ちろちろ書いてるのが楽しいんですわ。
自分でも書くのに久々に読み返してみたんですが、面白いんですよ。
(自分の好きなもんだけをあつめて書いてるからね)

話の中に「MashinBush」という何やら卑猥なコンピュータや、「WildCard」なる怪しげなアプリが出てきますが、説明に関しては全くのデタラメですので、そこのところは気にしないでね。
それと、途中で雰囲気作りのために出てくるオランダ語も機械翻訳ですので、笑ってスルーしてねん。

タイトルにもなってる曲は、これ。

クイーン「懐かしのラヴァーボーイ」
GOOD OLD FASHIONED LOVER BOY
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2009年01月04日

2008年08月15日

短編『悪魔』

 デメトリオ少年は困っていた。
モールで催されるプロレスの野外興行を見に来て
親とはぐれてしまったことにも困っていたのだが
それ以上に、同じような迷子の女の子が後からついてくることに困っていた。
「あっちいけよ」
女の子は汚れた人形を片手で抱えて、無口のまま少年を見ている。
「ちぇ、勝手にしろ...」
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2008年06月07日

短編/【ギュンター先生の不思議なゴミ箱】作:だみあん

「あ、ギュンター先生。おはようございます。
 今日も朝からゴミ箱あさりですか?」
まだ早朝の公園には人気がなく、
早朝のマラソンが日課の僕と、早朝のゴミ箱あさりが日課の
大学教授であるギュンター先生しかいなかった。
「先生、いい加減に教えてくださいよ。
 なんで先生のような方がいつもゴミ箱をあさっているんですか。
 しかも何かを持って帰るわけでなくゴミ箱を掻き分けているだけで・・。
 ただでさえ、この公園で1年前に殺人事件があったんですから、
 いくら先生だからといっていつかは疑われてしまいますよ。
 いやですよ、そうなってTVが来て
 『いや、あの先生は前から怪しいと思ってたんですよ。
  でもまさか・・・』なんてコメントするのは。」
僕の冴えないジョークにさえ微笑んでくれる笑顔が素敵なギュンターさんは
少し考えたあとにこう答えた
「・・・。やっぱりやめておくよ。君のためにもならないし」
そう言いながらゴミ箱をあさっていたギュンターさんに
僕はめずらしく食い下がってみた。
「そんなこと言わずに・・。んんっ?」
ゴミ箱をあさるギュンターさんの肩に手を乗せ、そう言った瞬間
ゴミ箱に不思議な形のものが見えた。
「そ、それは・・、いったい・・・」
ギュンターさんの肩から手を離した瞬間に
さっき見えていた不思議な形のものが見えなくなっていた。
僕はギュンターさんに聞かずに入られなかった。
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2008年04月05日

(完成してない物語)「憧憬」の一

昨年の10月ごろに書き始めて続きが止まっている物語です。
腐る前に、途中でも出しておきます。




夜、雨が降っている。
粗末な木のドアをたたくと、奥から彼の妻が出てきた。
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posted by tom at 06:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 短文 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

(完成してない物語)「憧憬」の二

飯豊幹夫は、O県の中央病院の大部屋に入院している。
幹夫の右足は南方の戦線で踝より下を失っており、顔も半分以上を包帯で覆ったままだ。続きを読む
posted by tom at 05:39| Comment(0) | TrackBack(0) | 短文 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年10月30日

獣達の反省会

竹田町自治会館、談話室。
テーブルでは、婦人達が秋祭りの抽選会の準備中。手際の良い奥さんが文字の形に画用紙を切っている。
その部屋の隅、巨大な相田みつをのカレンダーが下げてあるテレビのところで、5人の老人がパイプ椅子を寄せて談義中。
「ええい、悔しいわい悔しいわい!」
町長・生田ハギオ78歳が腕組みをし、ツバを飛ばして怒っている。
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posted by tom at 11:37| Comment(4) | TrackBack(0) | 短文 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする